焦りだけが積み上がっていった
開所から数カ月のB型事業所で、未整備の環境に戸惑いました。
製造職出身の私には、生産活動のムリ・ムラ・ムダが目に付き、改善したい、整えたい、その思いが募るばかり。
未経験での転職でしたので、一から教わることを最優先に行動していました。
しかし、受け身のままでは利用者様の環境を整えられないと、少しずつ改善提案やそれに伴う行動をしていきました。
しかし、直属の上司は業務過多で話す時間がありません。同僚には障がい特性への配慮が必要で、一緒に事業所を構築していく話をするのに難しさを感じ始めていました。
そして、直属の上司は入社から半年で退職を決意され、退職の引継ぎに追われている。
ソーシャルベンチャーへの転職に期待していましたが、現場を目の当たりにし、理想とのギャップが広がり続ける日々。
相談する相手もおらず、焦りだけが積み上がっていきました。
孤独と怒りを、抱えたまま
その後、上司がもう一人配属されました。
しかし、何を聞いても論点がずれ、明確な指示は出ません。期待していた新人や支援員への指導もありませんでした。
一方で、私自身も問題を抱えていました。論理的な話し方や表情の薄さ、早口が原因で同僚を追い詰めていたようで、、、。
「口調が強い」、「毎日5〜10分、小言を言われた」と報告され、私の配置転換に至りました。
自責の念に苛まれつつも、少なからず理不尽さへの憤りもありました。
上司への失望、同僚との摩擦、自分への問い、それらを抱えたまま誰にも話せないもどかしさが積もっていきました。
それでも、話してみた
先日、配属予定の事業所のスタッフ3人に、思い切って話しました。
「このままこの会社で続けていけるか、不安と迷いがあります」と。
私の個人的な悩みに、時間を取ってもらうことが申し訳なくて、
「こんなことに時間を割いてもらって申し訳ない、、、」と伝えました。
しかし予想に反して、「こういう時間が大事なんだよ!」と力強く返ってきたのです。
予想外だったこと
3人は大きく頷きながら、私の話を聞いてくれました。そして、それぞれが自分の経験を話してくれたのです。
開所間もない閉塞的な事業所で、頼れるのは直属の上司だけ。無茶な要求に耐え、まるで軍隊のように指示に従っていたと。
ソーシャルベンチャーとして組織が混迷する中、皆同じような環境にいたことを知りました。
「辞めるときはみんなで辞めよう!」、「私もいつまでいられるか、考えながら働いてるよ!」
と笑い合えたのです。配慮されたのではなく、対等に、そこにいられました。
話すことは、存在証明になる
話すことは、いつも良い結果につながるわけではありません。
言って良かったと思うこともあれば、後悔することもあります。
それでも私は今、話して良かったと思っています。
なぜなら、言葉にしなければ、自分の想いもなかったことになってしまうからです。
聞いてくれる誰かがいたこと、勇気を出して言葉にした自分がいたこと、それは消えません。
話すこと、聴いてもらうことは、そのまま自身の存在証明になります。
あなたへ
感情労働の現場にいるあなたへ。
今、誰かに話せていますか?
もし話せない場所にいるとしたら、それはあなたが弱いからじゃありません。
話せない構造の中にいるだけかもしれないのです。
一人で抱え込まないでください。
あなたの想いは、言葉にする価値があります。
職場の外に、話を聴いてくれる誰かを探すことも、立派な一歩だと思います。
私が動き始めたこと
あの日、3人と話してから、私自身も動き始めました。
「誰もが死を選ぶことなく、笑顔でイキイキと働ける社会を実現する」それが私の指針です。
きれいごとじゃなく、自分自身がその縁にいたことがあるから、この言葉を軸にしたいと思っています。
その第一歩として、国家資格キャリアコンサルタントの取得をしました。
そして、ソーシャルベンチャーへ転職しました。
次はYELLサポーターとして、”話を聴く”をもっと深めていきたいです。
仕事のこと、生き方のこと、うまく言葉にできないこと。
そういうものを一緒に抱えられる人でいたいのです。
次の記事では、その話を書こうと思います。
あなたも昨日より少しだけ、今の自分の声を大切にしてみてくださいね。

